18世紀末から19世紀初頭はフランスにおける磁器生産の盛期でした。国家機関のセーヴル窯は有名ですが、民間の窯もハイレベルな窯が沢山あり、それらは王族貴族が庇護していました。それらを少しご紹介します。
・マリー・アントワネットが庇護
レベフが開窯したティル通りにあった窯。その名の通りManufacture de la reine(女王の工房)と称した。
・ナポレオンの妻、皇后ジョセフィーヌが庇護
ダゴティ窯。パリを代表する工房。非常に高い技術を持ち、優れた製品を生産。
・ナポレオンの母、マリア・レテツィア・ボナパルトが庇護
ダルト兄弟の窯。複数の工房をもち、兄弟で活動。ナポレオンの没落とともに衰退した。
・プロヴァンス伯(のちの国王ルイ18世)が庇護
クリニャンクール窯。1799年廃窯。
・アルトワ伯爵(のちの国王シャルル10世)が庇護
アレ(Halley)工房。ルボンと提携。
・コンデ公ルイ6世アンリが庇護
パリを代表する絵付けの工房フイエ。ダルト兄弟やナストなどから素地を仕入れ、絵付けをして販売。のちボワイエに引き継がれた。
・アングレーム公爵が庇護
ディール&ゲラール。パリを代表する工房の1つ。
ほかにもたくさんありますが、それだけこの時代は磁器への熱狂が凄かったことがわかりますね。
当然技術も凄まじく、最高品質の製品をあちこちで作っていたわけですから恐ろしい時代です。長い間続かなかった点も魅力を高める理由ですね。日本では全然浸透していない分野ですが、フランスでは当然人気が非常に高いジャンルです。