アール・デコの工芸家といえば、まずルネ・ラリックが有名ですね。
デコに活躍した人物はそれなりにいますが、今日はエトラン(Etling)をご紹介。
エトランは日本ではガラス製品で有名です。というのもオパールセントガラスを使用した工芸品を多く制作しており、デザイン性も高く、それなりに数も出回っているので知名度があります。
今日掲載したボウルもオパールセントガラスによるものです。
エトラン自身が製作したわけではなく、デザインをし、大手のガラス工房と協力して作り上げたものです。
オパールセントガラスは美しい乳白色のガラスで人気があります。
でも、実はエトランで名高いのはガラスではなく、自身経営していたベランジェというギャラリーで販売していた数々の工芸家とのコラボ作品です。名高いデザイナーであるシュパルスなどともコラボしていますね。若手の芸術家を取り入れ、当時の先端デザインを積極的に展開していた良い工房です。
ただ、そんなエトランも第二次世界大戦に巻き込まれ、ユダヤ人だったエトランは強制収容所に送られ死去となってしまいました。
戦争は芸術を変えますが、エトランもそのような中に巻き込れてしまったのです。